栃木市藤岡町に店を構えるカフェ、any feel coffee。
こちらはカフェだけでなく、アトリエ、展示スペースなども兼ねており、訪れる人が気軽にアートに触れられる場所になっています。
今回はこのカフェを営むfeel promotion所属のデジタルアーティスト、ebiさんにお話をお聞きしました。
第13回は、デジタルアーティストebiさんにインタビュー
ebiさん:
思い悩んでいる人たちの背中を押すような勇気を与えられたら、という思いでアート活動しています。
any feel coffeeはどんな思いではじめられたカフェですか?
ebiさん:
「日常にアートを」をテーマに、コーヒーを飲んでもらいながら、アートに触れて何か自分の中で「感じる」体験をしてもらえるような場所になったらいいな、という思いで始めました。

▲ゆっくりアートと向き合える。心が落ち着く内装です♪
たしかに、「アート」といえば非日常というか、「美術館に行って鑑賞するもの」というイメージを持たれてる方もいますよね。
ebiさん:
そうですね。私が育ったここ藤岡町はアートが栄えている町ではないのですが、あえてこの地でこのany feel coffeeを営むことで日常で気軽にアートに触れられるきっかけを作りたいな、と思って店を構えました。
「闇の先にも、光はある。」というテーマについて
ebiさん:
はい。前職を退職し、独立しようとしている時に仲間だと思っていた人に大きく裏切られた経験があり、その時はひどく落ち込みました。
ebiさん:
「やってやるぞ!」とやる気に満ち溢れていた所から一気に絶望に落とされてしまいましたが、前職の仲間が毎日のように顔を出してくれるようになりました。
ebiさん:
その時、やっぱり自分は人に助けられて生きてるんだなっていうことに改めて気づいたんですね。そんな想いを描きたいなと思って、タブレットの画面に色を落とし始めたのがはじまりでした。

▲カフェに設置されている創作ブース。ebiさんはこちらでも創作されているそうです。
否定された色を、自分らしさの表現に。
その落ち込んでいた時に落としていた色が、ebiさんのテーマカラーである紫・ピンク・ターコイズブルーだったそうですね。
ebiさん:
はい。この3色は、中学2年生くらいの頃から封印していた色でした。
当時、美術の先生に「君の塗っている色は評価できない」と言われたことがあり、「自分が変だと思われたくない」という思いから使わないようにしていました。
色を否定されるだけでも、自分自身を否定されているような気持ちになりますよね。
ebiさん:
そうですね。人に裏切られ、落ち込んでいる時に何気なくその3色をタブレットに落としてみた時に、「これが自分の色かもしれない」と改めて気づきました。
紫、ピンク、ターコイズブルーは闇の中から徐々に光の方に向かっていく前向きな気持ちを表現されているんですよね。
ebiさん:
そうなんです。自分では気づかなかったんですけど、カラーセラピストの方が作品を見てくださった時に、紫が回復しようとする最初の色だと教えてくださったんですよ。
そうして暗闇から光の色(紫、ピンク、ターコイズブルー)へと向かっていくんですね。
デジタルとアナログのアート表現の違い・魅力について
アナログにはないデジタルならではの表現の魅力はありますか?
ebiさん:
アナログだと、手描きの線の跡が残ったりしますよね。でもデジタルはその線の上にレイヤーを重ねて描いていけるんです。
自分の残したい線だけを残せるので作品をスタイリッシュにできるっていうのが利点だと思います。
そうした結果、「写真みたいだね」と言われたことがあるんですが、なんかそれはすごく嫌で、デジタルなんだけどアナログで描いた感を出すようにしたりしてますね。
デジタルならではの魅力ですよね。
ちなみに、デジタルとアナログを融合した作品もあるそうですね。
ebiさん:
はい。ミクストメディアという手法で、デジタルで印刷したものに手塗りしたり。透けるぐらい薄い和紙に印刷した作品もあります。薄すぎて印刷が難しいので、1枚で終わりにしています。
ebiさん:
そうなんです。和紙シリーズはそうしていますね。

▲この世に1点しかない和紙に印刷された色彩鮮やかなアート
創作の原動力について
アート活動する中でのやりがいや、楽しいと感じる瞬間はどんな時ですか。
ebiさん:
やっぱり作品を見てくださった方々の言葉ですね。展示会の時にノートを置いているんですが、そこに書き込んでくださった励ましの言葉も嬉しいですね。
作品を通して、人とのつながりを感じられるのは素敵ですね。
ebiさん:
自分の作品を見て、「やっぱり1回きりの人生なので、自分らしく生きたいと思います」と言ってもらえるとすごく嬉しいですね。
やりがいというよりは、自分のやるべきことなのかなって今は思っていますね。
ebiさん:
まさにそうですね。何回かアート活動をやめようと思った瞬間もあったんですよ。
でもそういう時に作品へのあたたかい言葉をいただくと「やめるな」って言われてるような気がして、今まで続けることができています。
色のワークショップで、子供も大人も自由な発想に
お子さま向けのワークショップも開催されていますよね。
ebiさん:
はい。過去の私のように、小さい時大人の軽い言葉で変だよって言われた経験が自由な発想を止めてしまうのではないかと危惧していて。
ワークショップを通して、自由な色やカタチの表現を感じてほしいという思いで開催しています。
多感な時期だからこそ、貴重な経験になるでしょうね。
ebiさん:
親御さんの方が実は刺激を感じていらっしゃって、自分のお子さまのの才能に気づいたり、自由にやらせてあげようとすることに気づいたりされる方が多いように思います。
お子さまを通して、大人の気づきも生まれるんですね。
ebiさん:
はい。大人向けのワークショップも開催していますが、やっぱり大人は「体裁良くしたい」「かっこよくしたい」「素敵にしたい」っていう気持ちに囚われている方が多く、最初は全然色を塗れない方がいらっしゃるのですが、時間が経つうちに仕上がってくることが多いですね。
固定概念を打ち破って自由な発想を思い出せる、大人にとっても大切な経験になりますね。
自分の感じたことを、ありのままを、大切に。
暗闇の中から、光の方へ。
ebiさんの作品は力強く訴えかけるようなメッセージと共に、「あなたは独りじゃないよ」と寄り添い、そっと背中を押してくれます。
普段アートに馴染みがない方も、コーヒーがお好きな方も、ぜひ気軽に訪れてみてはいかがでしょうか。
自分だけの特別な体験が、そこにあるはずです。
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第12弾のインタビューはこちら