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【インタビュー企画】子どもが自ら学びたくなる!インサイト塾長に聞く“好奇心”を伸ばす教育とは

2025.06.11



「うちの子、勉強が嫌いみたいで…」

でも本当に嫌いなのは、やらされる勉強かもしれません。

栃木市にあるグローバル学習塾インサイトでは、英語やテクノロジーだけでなく、作文、プレゼン、社会見学など、学びの幅を広げるユニークな授業が行われています。
先生が大切にしているのは、“なぜ学ぶのか”を一緒に考える時間。

子どもたちは少しずつ、「知るって面白い」「話すって楽しい」「学ぶって未来につながってる」と気づいていきます。

家庭でも学校でもない場所で、子どもたちが自然と自分の好奇心に火をつける。
そんな“新しい学びの場”を、少しだけのぞいてみませんか?

今回、グローバル学習塾インサイトの塾講師 秋山塾長(以下、塾長)にお話しを伺いました。

生徒とともに未来を描く──教育への想いと塾づくりの背景

塾を始めたきっかけについて伺いたいと思います。まず、「塾を開こう」と思ったきっかけを教えてください。

塾長:
長く英語を教える仕事をしていて、佐野市にある外語学院で12〜13年ほど指導していました。英語だけでなく、社会や数学など複数教科を見ていた時期もありました。
児童英語の広がりとともに、幼少期から英語に触れる子が増えていて、中学に入る前に中学レベルを終えているような子もいます。結果として、子どもたちの間で英語力の差が大きくなってきているのを感じていました。

特に優秀な子たちと接していて強く思ったのは、「英語を本当に伸ばしたいなら、日本語の思考力も必要だ」ということ、英語だけやっても英語が伸びるっていのは限界があるとすごく実感しました。

また、学び方そのものも変化していて、タブレットやAIといったテクノロジーの進化によって、「先生がすべてやらなくてもいい」時代がきています。
オンライン教材の活用も進んでいて、こうした時代の中で、「英語を学ぶことで、外の世界を見てほしい」と強く思うようになりました。

そのためには、英語の指導だけでなく「なぜ勉強するのか」「どんな考え方を持つのか」といった対話が不可欠だと思い、塾を開く決断をしました。
 

教育への想いをあらためて伺えますか?

塾長:
新しいことを学んだり経験したりすることが、「楽しい」と思ってもらえたら、それが何よりです。
知らないことにも臆さず飛び込める、そのベースをつくるのが教育の本質だと考えています。
 

塾としての特徴や、他の塾との違いを教えてください。

塾長:
「好奇心を刺激すること」に力を入れています。もちろん定期テストや受験は基本機能としてしっかり対応していますが、それだけで終わらない塾にしたいと思っています。

たとえば、工場見学や作文ワークショップなど、学習の枠を超えた体験の機会を準備しています。
作文ワークでは、「感想って何?」という問いから始め、主観と客観の違いを考えるなど、自分の言葉で伝える力を育てています。

学校の勉強以外のカリキュラムも積極的にされているんですね?

塾長:
はい。たとえば、栃木レザーさんの工場を訪問したり、プロのデザイナーさんによるプレゼン資料づくり講座を実施したりしています。
最近の子どもたちは発表機会が増えているのに、正しいプレゼンの基礎を学べていないことも多い。そうした教育の隙間を埋められるのは、民間の塾ならではの強みだと思います。
 

塾として、地域との連携にも取り組んでいるんですね。

塾長:
地域の大人たちと子どもたちの橋渡しをしたいという想いがあります。
経験豊かな大人たちがたくさんいるのに、それをうまく伝えられる場が少ない。だからこそ、「子どもに伝わる形」に変換して届けるのが塾の役割だと感じています。




 

生徒と共に歩むグローバルな視野と信頼関係

印象に残っている生徒とのエピソードはありますか?

塾長:
よく「やる気が出る」「時代にあったモノの話をしてくれるから楽しい」と言われるのが嬉しいですね。
中高生って“背伸びしたい”時期なんです。だからこそ、「自分ってすごいかも」と錯覚でもいいから思ってほしい。それが行動の原動力になりますから。

生徒の中には、留学したり、海外の学会で発表したりする子もいます。卒業生から「今度カナダに行きます」と報告を受けると、本当に励まされます。
 

すごいですね。海外に出ていく生徒も多いんですね。

塾長:
はい。でも、海外に出ることだけが正解ではありません。
地元に残る子には、「ここにいても世界を見渡せる視点」を持っていてほしい。
広い世界を見る手段を持っていれば、場所は関係ないと思っています。




 

三者の連携で育む学びの場

学校・家庭・塾、それぞれの役割はどうあるべきでしょう?

塾長:
もっとコミュニケーションを取り合えたらいいのにと思います。
私はNPO活動もしているんですが、その中で感じるのは「塾は塾」「学校は学校」と分断されてしまっている現状です。

たとえば学校では、塾を「外部の存在」として敬遠しているような空気もありますし、保護者の方は「学校だけで全部やってくれれば…」と望んでいたりする。
でも、どれも間違いではないけれど、正解でもない。

塾の立場としては、学校の先生に本当に感謝しています。
私たちは“365日子どもを見る”という意味では到底敵わない。その分、塾の役割は「補い」「広げる」ことにあると思っています。
 

実際、そういう連携の場ってあるんですか?

塾長:
NPOとしては、佐野高校附属中学校で「居場所カフェ」という活動をしています。テスト後の時間を利用して、外部の大人と子どもが自然に関われる場をつくっています。
学校や地域、塾といった立場を超えた「新しい学習拠点」のモデルになれればと思っています。




 

保護者との関わりと学習支援の工夫

「この子は伸びるな」と感じる生徒にはどんな共通点がありますか?

塾長:
「自分はできない」と思い込んでいない子です。
人間の脳は“後退しない”。前に進もうとすれば必ず成長する。それを生徒にも保護者にも伝えています。
 

保護者として、どのように関わればよいのでしょう?

塾長:
家庭は「サポートの場」であれば十分です。
「なんでできないの?」というのを子供に怒るのではなく、それで困ったときは一緒に塾に来てください。
「なんでできないの?」は家庭ではなく、私たち塾の仕事です
プロとして、生徒がどこでつまずいているのかを見極めます。
 

親子で勉強のことで衝突する家庭も多いですよね。

塾長:
はい。それも当然だと思います。
子どもの様子がよく見えるからこそ、つい感情的になってしまうものです。
だからこそ、親子が勉強のことで喧嘩しないためにも、塾の存在には大きな意味があると思っています。
親の立場としては、そのつらさやストレスを家庭の外、つまり私たち塾に預けてほしいとも感じています。
実際、私も塾で子どもたちを教えていますが、自分の子どもとなると本当に難しいんですよ(笑)。




 

テクノロジー活用と新しい学習スタイル

学習習慣の定着に向けて、何か工夫されていますか?

塾長:
学習記録ノートを書いてもらっています。中学生以上は1週間単位で勉強した時間や内容、感想などを記録します。
そのノートを元にキャッチボールしながら「ごまかさずに正直に向き合う姿勢」を育てます。
 

タブレット教材も使われているとか?

塾長:
はい、タブレットには診断・分析機能があり、苦手な分野を自動で提示してくれます。
「今週はこれをやればいい」というのが可視化されているので、生徒も安心して学習を進められます。

“やるべきことがわからない”状態が、勉強嫌いの最大の原因です。
だから、そこを見えるようにして、「やってなかったら、じゃあ次何しようか」と前向きに話すのが私たちの役割です。




 

FMとの出会い、未来への挑戦、そして原点

FM番組「Tochigi highschool radio」(栃木市のコミュニティFMくらら857で高校生が発信する番組)の提供をしていますよね!理由を教えてください。

塾長:
ラジオが好きで、受験勉強の時もずっと聴いていました。
高校生がラジオ番組をやっていると聞いて、「応援したい」と思ったんです。
あとは栃木市の子どもたちとつながるきっかけにもなればと考えています。
 

今後の塾の展望を教えてください。

塾長:
学校の勉強だけでなく、「ワクワクすることに挑戦できる場」として塾を展開していきたいです。
そのためにも、学習サポートの基盤はしっかり整えて、子どもたちが安心して冒険できる環境を作っていきたいですね。
 

最後に、塾長の趣味や学生時代の思い出も教えてください。

塾長:
趣味はマラソンです。年1回は大会に出ていて、今の目標は「ロサンゼルスオリンピックに生徒を引率してホームステイツアーを実現すること」
カリフォルニアでのホームステイ引率に10年ほど携わっていた経験を活かして、一緒に行けたらいいなという趣味と仕事を合致させ考えています。
学生時代の思い出だと、高校時代にアメリカにホームステイした経験が今の価値観の土台になっています。
異文化に対してオープンでいること、人にやさしくすること――それを子どもたちにも伝えていきたいと思っています。

 





親だけで頑張らなくていい。子どもの学びを“チーム”で育てよう

子どもが「自ら学ぶ力」を育てるには、まずは好奇心を大切にし、家庭と塾が無理なく連携することが大切です。親子だけで抱え込まず、第三者の力も借りながら、子どもの「学びたい」という気持ちを応援していきましょう。


 


 

第7回目のインタビュー記事はこちら


※インタビュー記事の掲載内容は取材当時の情報です。

この記事を書いた人

ふらっとろーかる 事務局

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