地域の課題を解決し、地域と地元企業がともに成長していくためには、次世代を担う人材の育成が欠かせません。
今回取材したのは、地元企業が抱える課題を高校生ならではの視点で解決策としてまとめた『小山西高校キャリアクションプロジェクト発表会』。
参加した高校生たちは未来の「企業ドクター」として、企業が抱えるリアルな課題に向き合いました。
「企業ドクター」とは
企業ドクターとは株式会社フォーバル(本社:東京都渋谷区)が推進している、企業が抱える課題を分析し改善策を提案する専門家のこと。
地元の中小企業に寄り添い、デジタル技術(DX)導入をサポートしたり、経営の課題を共に乗り越えたりします。
「企業が元気になれば、まちも元気になる。」
そんな未来の実現に向けて、地域全体の活性化を支える人材です。
今回の取り組みは、そんな未来の企業ドクターを地域で育てることを目的としています。
高校生たちは事前に地域企業を訪問して地域企業の”生の声”を聞いたり、実際の業務を見て体験しながら、課題の原因や解決策を一緒に考えたんだって。
キャリアクションプロジェクト発表会の様子
高校生たちは9グループに分かれて、小山市内の企業6社を訪問。
訪問先企業の課題・理想の状態・解決策を模造紙やスライドにまとめ、グループごとにプレゼンしました。
教科書販売事業・製造業・畳事業・保険会社・個人経営の調剤薬局など、訪問先企業の業種はさまざま。
業種特有の課題だけではなく、地域企業が共通して抱えている問題も発表によって見えてきました。
「SNSやインターネットを活用して企業の強みをもっと発信したら、魅力が伝わりやすくなるのでは?」
「若手人材を定着させるために、工場内の仕事を見える化して属人化の状態を少しずつ解消したり、ワークライフバランス制度を整えるのはどうか?」
「出前授業や若者向け商品の開発を通して、若い世代との接点を増やすのが良いのでは?」
高校生ならではの課題に対する新鮮な視点で解決策を提案し、訪問先での体験を踏まえた言葉にはそれぞれのチームの想いがつまっていました。
企業担当者の方々が思わずうなずく場面も多く、真剣に耳を傾けている姿がとても印象的でした。
各企業からのフィードバック
全チームのプレゼンが終わった後は、各企業からのフィードバック。
高校生たちにとって学びの多い時間となりました。
高校生たちの学びと成長、そして地元企業との温かい交流が生んだかけがえのない時間。
地域を元気にする未来の「企業ドクター」への第一歩を、確かに歩み始めた瞬間に立ち会うことができました。
高校生にインタビュー
発表会終了後、キャリアクションプロジェクト まちづくり分野の代表:芝野海咲さん・副代表:田中蛍太さんにインタビューさせていただきました。
①今回の企業ドクターの取り組みを通して、特に印象に残ったことは何ですか?
芝野さん:
今回の活動を通して普段関わることのない企業の方たちとお話しすることができ、今まで知らなかった社会のことを知ることができました。
難しい面もいろいろありましたが、初めての経験が本当に多かったなと思います。
高校生活やこれから社会に出ていくうえでも「いろいろな経験ができたな」って実感できたのが、一番印象に残りました。
②実際に企業へ訪問し課題解決を考える中で、難しかったことや工夫したことはありますか?
田中さん:
企業さんの課題の中で、一番大きいと感じたのが”若手の人材不足”でした。
特に高齢化が進んでいる企業さんだとSNSの活用が難しいこともあり、どう対応するかが課題になっていると感じました。
SNSは若い世代が発信すると広がりやすいし、企業さんの良さを知ってもらうきっかけにもなるので、「自分たちにも協力できるところがあるかもしれない」と思って取り組みました。
少しでも企業さんが良くなっていけばいいなと思いながら、工夫して活動していました。
③最後に今回の経験を経て、進路や将来への考え方にどう活かしていきたいですか?
芝野さん:
企業の方と直接話す中で、課題解決の仕方や、話し方・会話の進め方など、さまざまなことを学ぶことができました。
企業さんとお話しした内容をお手本にして、これからの活動や将来に活かしていけたらいいなと思っています。
突然のお声がけにもかかわらず、気持ちよくインタビューを引き受けていただきありがとうございました!
地域企業と企業ドクターが共に歩むまちづくり
取材を通して感じたのは、地域の未来は”地域の中”で育つということ。
高校生たちが企業の課題と真剣に向き合う姿は、まちの可能性そのものでした。
企業ドクターという新しい人材像を地域ぐるみで育てていくこの取り組み。
今回の経験は、参加した高校生たちの未来につながるだけでなく、地域企業にとっても新たな一歩になるはずです。
『自分たちの地域を良くしたい!』
その思いが、ここからゆっくり、でも確実に育っていきますように。